私は愛知県に住んでいる20代後半の女性です。平日は事務員として働いており、アフターファイブや休日は大好きな趣味に没頭する、平凡だけれど充実した日々を送っています。
そんな私ですが、今は訳あって婚活はしていないけれど、20代前半の頃は様々な婚活を試みていました。理由は単純で、友人たちが次々に彼氏を作り始めたため、結婚を焦る気持ちが芽生えていたのです。
しかし、いざ結婚願望を持ったはいいものの、オフィスワークとインドア趣味を繰り返す生活では、男性との新しい出会いもありません。そこで最初に試したのが、友人たちの誘いに乗って合コンに参加してみることでした。幸い、友人の中には合コンを頻繁に主催する女性がいて、その子の誘いに乗っていれば、自然と男性との出会いが増えたのです。
とはいえ、私は引っ込み思案なインドア派。合コンに参加しても、周りと一緒になって盛り上がることもあまりなく、飲みの席の端の方でさりげなく相槌を打つようなポジションに収まるしかありませんでした。そんなある時、向かいの席の男性の中に、私と同じように、所在なさげに座っている男性がいたのです。彼と目が合って、「あなたもこういう場に不慣れなんですか?」という意味を込めた苦笑を交わした瞬間のことは今でもよく覚えています。それが、20代最初の彼氏との出会いでした。
それまで何度か参加した合コンでは、気が合う男性とは全く出会ったことがなかったので、ほとんど諦めかけていた時に起こった出来事でした。それから、その合コンの中で「猫好き」という共通の話題が見つかり、お互いの愛猫の写真を見せ合ったりして一気に意気投合。その日のうちに連絡先を交換し合って、「ああ、もしかしたら私はこの人と付き合うのかのしれない」などと思いました。
今思えば、これ以上ないくらいベタな出会いで、今思い返すとちょっと面白いです。最初の予想通り、その後何度か一緒に食事に行ったあと、告白され、それを受け入れ、私はその人と付き合うことになりました。ところが、そのすぐ後に私は体を壊してしまい、ドミノ倒しのように精神的にも不安定になったうえ、見栄を張ってそれを隠してしまったものですから、私の方にすぐに限界が来てしまい、その人とは半年ほどで分かれてしまいました。
私が再び婚活を始めたのは、それから1年ほど経って、身心ともにやや落ち着いてきたころです。しかし、まだ全快というわけではないこともあり、「合コンは嫌だな」と思っていました。1度は良い出会いに恵まれたものの、合コンの大部分は「疲れる」イメージが強く、しかもその割に恋愛に発展する確率がかなり低いことを実感してしまったからです。
ある日、そういったことを友人に話したところ、友人は「自分はマッチングアプリを使っている」と教えてくれました。それを聞いて、私が最初にしたのは、友人の心配です。「ネットで男性との出会いを探す」なんて、危険なことだと思っていたのです。しかし、友人の話を聞くうちに、だんだんと「自分もマッチングアプリを使ってみようかな?」という気持ちになってきました。
友人いわく、彼女が使っているマッチングアプリは会員制で、男性も女性も会費を払わなければいけないということです。だからこそ、無料で誰でも使えるマッチングアプリよりも、マッチングアプリを悪用しようとする人に出会う確率がかなり低いとのことでした。また、「いいね」を送り合った人同士でしかメッセージのやりとりができない点も安心できるとのことでした。
家で婚活できるなら、それに越したことはない。根っからのインドア派である私は、ついに思い切ってマッチングアプリに登録してみました。最初は恐る恐る使っていましたが、なるほど、全く気にならない相手からの「いいね」は無視すれば良いですし、ちょっと怪しいようなメッセージが送られてきた場合でも、同じく無視したり、メッセージを削除したりといったことが簡単にできるので、思ったほど怖がらなくても良いようです。
そのうち、やり取りが続いた2人の男性と実際に会ってみました。しかし、メッセージでは会話が盛り上がっても、いざ会ってみると男性遍歴の話ばかり聞かれたり、相手の体臭なんかが合わなかったりして、意外とうまくいきませんでした。
がっかりしていると、何往復かやり取りを交わしただけの男性から「会ってみませんか?」というメッセージが届きました。「自分たちは相性がいいと思うんです」と。今考えると少々怪しいメッセージですが、私は会ってみることにしました。それまでのたった数回のやりとりで、私の方も、趣味や考え方がかなり近いと感じていたからです。
そうして出会った人と、のちに付き合うことになりました。
このふたつの出会いを通して思ったことは、何事も続けてみることが大切だということ、そして、意外な場所(シーン)に、意外な出会いの可能性が眠っているのだな、ということです。
次、結婚や恋愛を考えるとしたら、今度はまた新しい場で挑戦してみたいと思います。